顎顔面補綴とは

口の中に腫瘍(良性・悪性)ができた場合,治療の方法として腫瘍の組織を小さくするための薬を使った方法や放射線を使った方法がありますが,たいていの場合,取り除くために腫瘍の組織を切り取る方法が取られます。
口の中にできる腫瘍には,歯ぐきにできた腫瘍,顎の骨にできた腫瘍,舌にできた腫瘍,ほっぺたにできた腫瘍があります。舌や下あご,ほっぺたを切り取った場合は皮膚や骨を移植しますが,上あごを取った場合,その後移植をしない場合がほとんどです。そのため,上あごを取った場合には鼻と交通しているので穴を塞ぐ装置をはめないと会話や食事ができません。下あごや舌の手術で移植をした場合でもあごと一緒に歯を失う,舌の動きが悪くなって上あごを取った場合と同じように会話や食事に影響が出るため,多くの患者さんが食べにくい・飲み込みにくい・しゃべりにくい・見た目が気になるといった色々な障害を抱えておられます。
手術の方法や放射線治療(ほうしゃせんちりょう)を受けているかどうかによってその障害の程度・種類は大きく影響をうけるので,状態は患者さんによって様々です。
そのため,それぞれの患者さんにあった補綴装置(ほてつそうち)やリハビリテーションプログラムが必要となります。
口の中の腫瘍の手術をして,その後の障害により困っておられる場合,またはご家族・お知り合いにそのような方がおられる場合には,ご相談ください。我々は義歯やリハビリテーションを通して少しでも機能回復に貢献したいと考えています。

補綴は,“ほてつ”と読みます。歯科治療における補綴とは,歯が欠けた,無くなった場合にクラウン(かぶせ物)や入れ歯で補うことをいいます。
顎顔面補綴とは,その中でも腫瘍や交通事故などの外傷,炎症,先天奇形などが原因で,顔または顔周囲の骨や組織などが失われた場合に特殊な装置(顎義歯(がくぎし),舌接触補助床(ぜつせっしょくほじょ),軟口蓋挙上装置(なんこうがいきょうじょうそうち)などと呼ばれる)を用いて,失われた組織や機能を回復させる治療のことです。
またこれらの装置は,脳卒中や神経疾患による「しゃべる,のみこむ機能」の障害のある方にも有効な場合があります。

補綴装置について

顎顔面補綴で用いられている補綴装置(ほてつそうち)には次のようなものがあります。